2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

毛利高標所蔵の世界地図帳

必要あって、大分県の郷土史家今村孝次(明治8年生、昭和17年没)の遺著『二豊人文志』(朋文堂、昭和18)を見ると、「古簡集」と題した記事に、蔵書家として名高い佐伯藩主毛利高標が国許の藩士にあて、「佐伯は江戸とは違ひ火事も少いことだから先づ…

儒家小誌にみる蘭学者

最近、古書店で『書画鑑定必携 儒家小誌』(渡 俊治編、東京、文求堂、大正14年再版)を購入しました。初版は奥付を見ると、大正11年9月15日、丁度関東大震災の一年前に出ています。文求堂は中国古典籍の古書肆として有名でしたが、大震災後は中国語…

ドイケルスクロックの訳語

先日、蘭学者山田大円が小値賀(おじか)島の珊瑚採集実験に「ドイケルスクロック」(duikersklok)を使用したのではないかと推測しましたが、思わず「排気鐘」と誤訳してしまいました。正しくは「潜水鐘」です。訂正しておきます。ボイス『学芸百科事典』のdu…

小値賀(おじか)島と蘭学者

謹賀新年。昨年5月以来、ブログを離れていました。忙中の閑のつもりで気楽に書いてみることにすれば、今年は長続きするかもしれません。1月4日の朝日新聞、朝刊の一面に、シリーズ「日本 前へ」3として、「離島 探せば宝の山」の大見出しで、長崎県小値…